くもり のち 雨

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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ
 
テレビアニメの総集編を2回に分けて劇場公開するというアニプレックスのたくましい商魂に敬礼と前蹴りを加えつつ、あまり期待せずにまどかマギカの劇場版見てきた。
 
ところどころに細かな編集が加えられていて、特に本放送時にはおそらく未完成だった背景には大きな変化が見られた。上條くんの病室なんかはアンティーク調に変えられていたりして、もはや作品の雰囲気自体を変えてしまいそうな勢いだったので、賛否両論がありそうというか、個人的にはあまり気に入らなかった。
 
8話分を2時間ちょっとに収めてるので、切り捨てた部分がけっこうあるのが気になった。特にさやかちゃんが魔法少女になってから魔女化するまでの真綿で首を絞めるようなキリキリする展開がリズムよく飛ばされてしまったのは、しゃーないとはいえ残念だった。
あと、ところどころで「あっここでED入らないのか」って思うところが結構あって、テレビ用に作られた作品をノンストップでやってしまうと、いくら再編集してるとはいえやっぱり味気なくなる。3話のラストとか余韻も含めてこそパンチの効いたエピソードだったので、間がもらえないのはちょっとつらい。
 
戦闘シーンの迫力はさすが映画館だけあるなーと思いつつも、この程度だったら後編見るの悩むなーと思いながら鑑賞していたんだけど、ラストのさやか魔女化の場面でぶっ飛ばされた。あのシーンを見るためだけでも料金を支払う価値がある。スクリーンの大画面と音響はこのシーンのためにあったのかと思わされるほど。自分がさやかちゃんに思い入れあるからっていのもあるんだろうけど。
 
全体的にまとめると、変身シーンは全部新しく変わっていたり、ファンにとってはそういう違いを見つけるのを楽しむ意味で見ればいいと思うけど、それ以外ならテレビ版をレンタルで見たほうが絶対いいと思う。
改めて感じたのは本放送のどうしようもない完璧さ。1週間のインターバルすら計算に入れられていたんじゃないかという気もしてくるし、地震による放送延期すら追い風に変えてしまった印象すらある。個人的にちょうど精神的にどん詰まりの時期だったので、ストーリーと重なる部分があってとても思い入れが深い。リアルタイム視聴ゆえの神格化も多少はあるだろうけど、それを差し引いてもやはり特別な作品には違いない。