さくら荘のペットな彼女 第3話 「近すぎて遠い…」



もし高校生のときにこのアニメ見てたら、もうゾッコンだっただろうなと確信できるくらい素晴らしい思春期アニメ。

このアニメ見てると「周りはいろんなものを持ってるのに、どうして自分だけ何も持ってないんだろう」っていういわれのないコンプレックスを、自分はいつの間にか失っていたことに気付かされた。高校時代は暇さえあればこういうことを考えてたし、周りの人たちが羨ましくて仕方なかった。
高校時代と比べて今の自分がいろんなものを持っているとは正直あんまり思わないのに、なんでこういうコンプレックスを感じなくなったんだろう。就活してるとき、自分にはなにもないなーって思うことも結構あったのに、劣等感みたいなものはあんまり感じなかったし。

そこにはたぶん諦めというか、自分の持ってるもので生きていくしかないんだろうなっていう開き直りがあったんだと思う。思い返してみれば、「周りはいろんなものを持ってるのに」っていうとき意識するのは当然自分が持ってないものばかりで、要するにないものねだりなことが大体だ。
このアニメのメガネ先輩とかキチガイアニメ先輩とかましろちゃんみたいに、どれだけ才能にあふれた人であっても当然持ってないものはあって、それについてめちゃくちゃ悩んでるわけで。それは裏を返せば、自分が何も持ってないと思っていても、実は何かを持っている確率が高いってことだったりして。
じゃあ一体自分はどんなものを持ってるの?っていうのは、周りの人たちが教えてくれることがほとんどなので、これからのストーリーはたぶんさくら荘の住人、というかましろちゃんがその役目を担っていくんだろうなという感じ。

それにしてもこのアニメ、ましろちゃんとかアニメ先輩とか声優志望の同級生とか、女性キャラは自らの道を自分で切り開いて強情なまでに突き進んで行ってるのに、メガネはアニメ先輩にコンプレックスを抱きながら男娼のごとく夜な夜な女を渡り歩いていたり、主人公はもっとわかりやすく「自分にはなにもない」「なにがしたいのかわからない」と思春期のモデルケースのごとくフラフラしながらましろちゃんのお世話に精を出してたりと、男性キャラは他人に依存してる構図なのがなんか面白い。
別にこれをオカズにして男性の草食化がうんぬんとか言う気はまったくなくて。もし少女マンガなら性別を入れ替えて同じような構図になってるんだろうし。ただなんというか、思春期の人間にとって、他人に依存せずに自分の道を自分で決めるっていうのは意外と難しいのかもしれないなと思った。

初めはまったく見る気なかったんだけど、評判いいから試しに見てみたらめちゃ良くて。キャラはかわいいし適度にエロいし声優の演技は良い感じだし上でだらだら書いたように青春ど真ん中のストーリーだし。今のところ間違いなく今クール1番なので、失速せずに最後まで走りきって欲しい。
とか書いてたら2クールなんだってこれ。大丈夫かな…