ARIA The NATURAL [2006]

2クール全26話と話数が多いぶん、各キャラクターの過去話とか掘り下げがしっかり行われていた。1期と比べると地味さが目立っていて、正直途中でダレそうになるところもいくつかあった。それでも、1話1話にテーマがちゃんと定められていたりして、意識して見ていると本当に丁寧に作られているのがわかるし、制作陣の愛情が伝わってくる。
逆にストーリー展開に派手さがないぶん、見ているだけで心温まる雰囲気を手に取るように感じることができて、佐藤順一監督の真骨頂を思う存分味うことができる。
他にも髪切ったあとの藍華ちゃんがかわいすぎるとか、一家に一匹アリア社長が欲しいとか、好きなところをあげるとキリがない。

ベストエピソードは第15話「その 広い輪っかの中で…」
暁の過去エピソードも微笑ましいけど、終盤の演出がすばらしい。灯里を取り巻く人々が、出会ったり素通りしたり。直接知り合ってるわけじゃないんだけど、みんなひとつの輪のなかに存在している。そうやって見えないところで人と人はつながっていると考えると、少し心が暖かくなる。
次点は第21話「その 銀河鉄道の夜に…」
ケットシーとの交流がクライマックスを迎えるところで夏待ちを流すのは反則だわ。
他にも、贈り物がテーマで灯里の仕草が特にかわいかったりする第8話や、藍華ちゃんの女の子らしい一面が全開の第19話、男女入れ替えで笑いが止まらなかった第22話あたりもお気に入り。最終話冒頭の、凍てつくような一面の冬景色に牧野由依の弾き語りが合わさる場面では絵と音が最高にマッチしていて、僕がARIAを好む理由のひとつがもっとも色濃く出ている瞬間だった。

このEDもすごく好きだった。イントロがフェードインしてくるたびに涙腺が緩むのをこらえるのにもう必死。

全4クールに及ぶARIAも残すは3期13話のみ。多くの人が生涯ベストに挙げるこの最終クールを早く見たいと思う反面、彼女たちの物語もこれで終わってしまうのかと思うと手を付けたくないような複雑な気分。