Your Body Is Yours/他人の時間

タダ券があったので、国立国際美術館ヴォルフガング・ティルマンス展と「他人の時間」と名付けられた巡回展を見てきた。


現代アートを見るには知識も感受性も足りないので、抽象的な作品が多くて解説が少ないティルマンス展のほうは僕にはなかなか厳しかった。
WIREDCasa BRUTUSのインタビューも読んでみたけれど、いまいち掴みどころがない。写真家という触れ込みを聞いていたけれど、展覧会のメインイメージに使われている「end of broadcast」とか「freischwimmer」、「lighter」シリーズを見て、写真家のくくりに収まらない印象を得た。

Tillmans

動画の作品も2つあって、そのうちひとつの「Instrumental」が1番印象的だった。パンツ一丁のオッサンが壁に向かって足を前後左右にペタペタ足踏みしてる映像が延々流れていて、まったく意味がわからない。意味がわからなすぎて頭に映像が焼き付いてる。



他人の時間は同じく現代アートながら、作品の横に作者の紹介と作品の概要のプレートが貼られていたのでいくぶん鑑賞しやすかった。
ホテルのラウンジや地下駐車場、市場などの日常風景で、偶然誰もいない瞬間を6年間収集した写真を、未来のカレンダーとして3面の壁に敷き詰めたヒーメン・チョンの「Calendars(2020-2096)」は展示方法も含めて存在感があった。

timeofothers

壁にいくつもの時計が並び、心筋梗塞による突然死、二酸化炭素の排出、強姦、割礼など、それぞれの事象が発生するごとに針が一周してベルが鳴るという、ブルース・クェックの「鏡の回廊:アジア・パシフィックレポート」は単純におもしろかった。展示の入り口でバーコードを受け取り、出口でリーダーを通すと、展示中にどれだけの事象が起こったかを計算したレシートを受け取れる仕掛けも感心した。
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現代アート、いまだに見る意味があまりわからないんだけど、暇つぶしにはいいかなという感じ。