My Favorite Works in 2022

ひとつひとつに腰を据えて向き合う集中力が失われたことと、そのときの気分で無限につまみ食い放題なサブスクの相性が最悪だなと数年目にしてようやく思い当たりましたが、もはや抜け出すことはできるはずもなくという感じでした。AOTYみたいなリストのまとめとサブスクの食い合わせもマジで地獄だと思うのでうまい距離の取り方はないものかと思う今日この頃です。

音楽

  • 結束バンド - 結束バンド

1話OPの曲と映像の時点で即がっちり掴まれて、EDも頻繁に聴いていたものの、劇中歌はそこまで好みではなかったので完全に油断していた。最終話で披露された3曲が映像と演出も相まって最高に仕上がってる。
熱心な邦ロックリスナーではないので参照元に特に感じるものはないはずなのに、どこかで絶対聴いたことある曲調のはずなのに、こんなに感情が昂るのはすごい。
特にカラカラやアジカンカバーに顕著だけど、キャラの特性を出しながら曲としてのクオリティも全くスポイルしないボーカルのディレクション(とそれに応える声優の歌唱力)がめちゃくちゃ素晴らしいと思う。正直このカバーは最終話EDかつアルバム最終曲に完璧にフィットさせたアレンジも含めてオリジナルより断然良いですよ。
恥ずかしながら2022年の音楽ならこれをまず初めに挙げざるを得ない。

  • JID - The Forever Story

ラップとトラックで見るとこれが今年はベストなのではと思う。トレンドにも懐古にも寄りすぎない独特のトラックチョイスなのに、中庸どころか尖ったものも多くクオリティが高いので、どんなセンスしてるんだとびっくりする。おまけにラップのうまさは言わずもがななので、文句の付け所がほとんどない。

  • C.O.S.A. - Cool Kids

お得意なメロウなものもルックスにマッチするハードなものもトラックが外れなくて良かった。曲調のバリエーションは確保しつつ全体的に憂鬱な空気が通底しているのも気分にマッチしてる。
自分とはおよそ縁のない真逆の世界観で生きているはずなのに、ラップを通すと不思議と共感してしまって、その度に言葉選びやラップのうまさを実感させられる。

  • Kendrick Lamar - Mr. Morale & The Big Steppers

あまのじゃくなのでハイプに乗っかる気もないし、正直言ってTPAB以降の神格化するほどの良さを理解できてないので、まあいいんじゃないですかねという斜に構えた感想。
"United in Grief","Worldwide Steppers"あたりのアブストラクトでミニマル寄りのトラックは素直に耳を引かれたし、"Father Time", "Auntie Diaries"のエモーショナルな展開には聞き入ってしまった。特に後者の4分使ったストーリーとトラックの展開は力入ってるなと思う。
過渡期というかここまでのキャリアに折り合いをつけるための作品だと思うので、次のアルバムがどうなるか、これで最後になるのかというのが気になるところ。

  • Vince Staples - RAMONA PARK BROKE MY HEART

Summertime 06あたりまでの虚無感とメロウさとざらついた攻撃性があるアルバムを期待してるんだけど、いまいちアグレッシブさが足りないなという感想がずっと続いてる。
とはいえメロウ寄りの視点から聞けばかなり良い曲揃いだと思うし音作りも凝ってるように感じる。"MAGIC"なんかはさすがMustard製と思わせるウェッサイマナーの良曲だし、リバーブがかかった強烈なキックが突然鳴り響く"WHEN SPARKS FLY"には耳を奪われる。
ただ作品としてどんどん暗くなっていってる気がするけど大丈夫かなという感じです。

  • Arcade Fire - WE

2014年のフジロックが期待を上回らないライブだったので、興味をなくしつつあったけどこれは良かった。1,2枚目のドラマチックさと3枚目の素朴さと4,5枚目のいなたさをまんべんなく敷きつつ、原点回帰を感じさせる。

  • Toro y Moi - MAHAL

久しぶりにトロちゃん聴いたら今こんなんなってんですね。ぼんやりしたリズムループとボーカルに往年の空気を感じさせながら、土臭いファンクが延々流れてるのがとても心地よい。中身がジャケットとマッチする良いアルバムだと思う。

この内容でこのジャケット、センスが良すぎて憎い。大昔に買った"Leave Before Lights Come On"のEPに入ってた"Baby I'm Yours"のカバーがとても好みだったので、この路線はわりと結構好きです。

  • The 1975 - Being Funny in a Foreign Language

配信でサマソニのライブを見たことに影響されたので、主に旧譜を聴くことが多かったけど、3枚目からハマった身としてはやっとひとつの作品としてアルバムをまとめてくれたなという感想です。再生した途端にAll My Friendsが流れてきたのはさすがに笑っちゃった。

  • The Smile - A Light for Attracting Attention

バンド回帰って前評判を得てから聴くと、バンドってこんなんやっけ?って感想と確かにバンドやな…っていう感想が同時に出てくるなんとも言えないアルバム。
スピード重視とかラフでリラックスした空気感とかいう評も見た気がするけど、全然わからん、構成とかフレーズとか凝ってるんちゃうんこれ?という感じ。

  • Bonobo - Fragments

個人的に年に一枚あるダンスミュージックハマリ盤、今年はこれ。ほどよく落ち着いてほどよくアゲてどんなシチュエーションにもはまるのでよく聴いた。

  • Joey Bada$$ - 2000

ALL-AMERIKKKAN BADA$$も大概ポップな作風だったと思うけど、今回のはちょっとおもしろくなさすぎるなと思いました。トラックもラップも悪くはないけど普通。なんならWestside Gunnの1曲だけの客演に全部食われとる。歌詞やスキットのテーマはいいのになんかもったいない。

宇多田ヒカルって今までほとんどいいと思ったことなかったんだけど、今回のアルバムは普通によかったので書き残しておく。シリアスで情念こもったボーカルが好きになれなかったので、いつもよりリラックスしたような歌い方が良かったんだと思う。

旧譜だと以下をよく聴いた。

  • A Tribe Called Quest - Beats, Rhymes & Life
  • Fleet Foxes - Crack-Up
  • MONJU - Black de.ep
  • Skee Mask - Compro

曲単位だと動画入口で何回も聞くことが多かった。

  • JJJ - 2034 feat. Fla$hbackS

  • STUTS - Changes feat. JJJ

アニメ

  • ぼっち・ざ・ろっく
  • まちカドまぞく2丁目
  • 異世界おじさん

ぼっちざろっくは音楽としてよりアニメとして好きな割合の方が大きい。声優の演技、特に主役の青山さんの演技が硬軟どちらの面でもとても良くて、序盤はこれのために毎週楽しみにしていた。3話以降は変化球気味の演出も気になりつつ、そこも含めておもしろいことに妥協なく取り組んでいるような熱意が感じられてさらに夢中になった。加えて11話ラストのフラッシュカットから12話冒頭の文化祭ライブは本当に素晴らしかった。
まちカドまぞくの2期はシリアス寄りになるのかと心配していたけど、ちゃんと良い塩梅に収めてくれて満足。
異世界おじさんはノリがキツいなと思うことも多いものの、絵が綺麗なのと小松さんの演じる藤宮さんがむちゃくちゃかわいいので、それだけで見続けられる。